猫と人との相性

2022.04.02 Sat.

前回は猫との出会い方をお伝えしましたが、今回は猫と人との相性についてお伝えしたいと思います。
相性を考えるポイントとして猫との暮らしに知識や経験があるかどうか、そしてどのような距離感で猫と暮らしたいかがあげられます。また、飼い主がどの様な生活スタイルを送っているかも大切になってきます。

例をあげると

・初めて猫と暮らすことになった or 今まで猫に触れる機会がなかった方

人に馴れていて手がかかりにくい猫が最適です。

人に馴れているかどうかは、猫の社会化期と言われる生後3ヶ月ぐらいまでにどれくらい人と触れ合っていたかが重要です。そういう意味ではブリーダーの元で育てられた子猫は十分に人馴れしているように思います。ただし、保護猫でも慣れている子もたくさんいるため性格に関しては里親さんに確認すると良いでしょう。
また日常的なケアが必要な猫(ブラッシングが必要な長毛種、涙やけのケアが必要な短頭種など)や先天性疾患の発現リスクが高い猫種を選ぶ場合は、品種による特徴をよく知り、起こりうる病気に対してある程度の覚悟をしてから選ぶことをおすすめします。


・小さな子供さんがいる家庭

できるだけフレンドリーで物おじしない性格の猫が最適です。

猫は大きな音や声が苦手です。特に乳幼児の甲高く大きな声は恐怖の対象になり得ます。また猫は過度に触れられることを嫌うため、保護者である大人が猫との距離感を子供に正しく教えてあげることがとても大切です。猫と子供は一見相性が悪いように聞こえますが、猫に関わらずペットとの暮らしは子供の情操教育に良いと言われています。
大人が猫の性格を把握しつつ、正しい猫との接し方をアドバイスしていくことで子供と猫は一生涯のパートナーになり得るでしょう。



・先住猫がいる家庭

飼い主様から受けることが多い相談の一つです。先住猫との相性が大切である事は当然ですが、それにはまず先住猫の性格を把握しなければいけません。
飼い主さんにべったりで独占欲が強いタイプの猫さんは2匹目を受け入れ難いことが多いです。大怪我になる喧嘩をする事は稀ですが、慣れるまでの数週間はストレスによる体調不良に気を配らなければいけません。また社会化期に猫との接触が一切なかった猫にも同様のことが起こる可能性があります。
それを踏まえた上で2匹目を迎え入れる場合は、できれば大人しく主張の少ない性格の猫が最適です。また、オス同志は激しい喧嘩になる事があるため避けたほうがいいかもしれません。
複数の猫と暮らすことは住環境の配慮(トイレや寝場所の確保)やそれなりの気苦労がつきものです。しかし親子や兄弟の様に友好な関係になった猫同志はとても幸せそうに見えます。
このテーマに関しては後日のコラムでもう少し詳しくお伝えします。



・高齢で飼うことを躊躇されている方

猫を飼いたくても先の不安で飼うことを躊躇されている方もたくさんいるのではないでしょうか。
その場合、成猫と暮らすことを選択肢として考えていただきたいと思います。
成猫は子猫と違ってある程度の性格が把握できるため自身との相性も分かりやすく、そのためパートナーとしてより良い関係性を築くことができます。
また、世の中には飼い主から手放されることになった猫がたくさんいます。そのような猫を貰い受けることを是非選択肢に入れていただければと思います(もちろん自身のあとに引き継いでもらえる後継者を探しておくことも必要です)。
 


猫と暮らしたいと思っている方は、まずは上記のように自身の状況を把握しておきましょう。また猫に関する知識や経験のある人に相談して一緒に探してもらうことも良い方法です。
一人でも多くの方が猫という一生のパートナーに出会えますように。