ようこそわが家へ!

2022.06.30 Thu.

今回は猫さんをお家に迎え入れた時、飼い主さんにチェックしてほしい項目をまとめました。

【食欲】
お家に来たばかりの猫さんは環境の変化でストレスを感じています。そのため家に来たばかりは食欲がないことも多いです。
体調に問題がなければ、数日ほどで環境に慣れてくるため食事を摂り始めるはずでしょう。その後、食欲が安定してからは食事量に注意を向けてください。
特に成長期の子猫は多くのカロリーを必要とし、適性量を摂らないと成長不良の原因となってしまいます。
必要カロリーの計算方法もありますが、まずはペットフードの裏に記載されている食事量の目安表で1日のフード量を把握しましょう。
(カロリーの計算方法は下記に記載しています)


【体重】
成長期の子猫は骨格もどんどん大きくなり、それに応じて体重も増えていく必要があります。適切な体重であるかどうかは、飼い主さんが猫の身体を触ることで大まかに判断することができます。
目安として、背中側の肋骨(あばら骨)を触った時に簡単に骨が触れる時は痩せすぎているサインになります。骨がやんわりと感じられる程度であれば安心です。
実際に自宅に迎え入れたばかりの子猫を動物病院で診察する際、痩せていると感じることは多いです。
離乳が上手くいかず食事量が不十分であったり、下痢や風邪症状など病気のせいで太れないなど治療が必要なケースも多くあるため、痩せていると感じた場合は早めに診察を受けましょう。

【排便】
適切な食事量を摂れるようになれば、日に1~2回は排便をします。
理想的な便は茶褐色の色味で、掴んでも崩れない硬さが理想的です。自宅に来たばかりや子猫の場合は少し柔らかめの便をすることが多いですが、1週間経っても軟便が続く場合や明らかな下痢には注意が必要です。
また、体重が増えなかったり食欲のない下痢は寄生虫などの感染症が隠れている可能性もあるため、自宅で様子を見るのではなくすぐに動物病院で診てもらう必要があります。
※病院に行く場合は便を持って行きましょう。砂ごとでも構わないため、なるべく新鮮な便をビニール袋等に入れて持参してください。


【排尿】
猫はもともとお水をたくさん飲む習性がないため、飲水(ミルクも含め)や食事によって排尿回数や量は異なります。平均的には2−4回/d ぐらいの回数ですが、自宅に来たばかりで飲水や食事量が少ないと尿自体が溜まりにくかったり、尿意自体を我慢することがあります。1-2日間、全く排尿している様子がなければ動物病院に相談してみましょう。



【動物病院に連れて行くタイミング】
お外にいた猫さんを保護した場合:子猫の場合はできれば当病院に連れて行きましょう。成猫で興奮していたり怒っている場合は動物病院に相談してみてください。

ペットショップや譲渡からの場合:体調に問題がない場合は次回のワクチン接種のタイミングで良いですが、食欲や体調に不安がある場合は早めに動物病院に連れて行きましょう。


<1日に必要なカロリーの計算方法/ DER>
安静時における1日に必要なカロリー(RER) にライフステージによる係数をかけて計算します。

RER=(BW)^(0.75)×70 kcal/day 
電卓でやるときは 体重×体重×体重そのご√を2回推押して70かける
この計算方法は電卓が必要なので下記の計算方法が簡易です。

RER=30×体重(kg)+70 kcal/day

これにライフステージによる係数をかけます。
生後4ヶ月未満  3.0
生後4〜6ヶ月  2.5
生後7〜12ヶ月 2.0
成猫       1.2
肥満猫      1.0
高齢猫      1.1

*例/ 生後3ヶ月で1.5kg の子猫ちゃんの場合
RER =30×1.5 +70 =115
DRE(1日に必要なカロリー) =115×3.0 =345 kcal

このカロリーは7kg ぐらいの成猫に相当するカロリーになります。
このように子猫の成長期には多くのカロリーが必要であるため、食事量が少なかったり痩せている猫さんの場合は気をつけてあげましょう。