猫は動物病院に行きたくない!?

2023.05.07 Sun.

いよいよ愛猫ちゃんとの本格的な暮らしが始まりました。
体調に問題のない猫ちゃんの場合、はじめての動物病院来院はワクチン接種のタイミングになるかと思います。
私の勤務する動物病院では、子猫のワクチンの接種時期として生後2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月を目安に実施しています。

*ワクチンに関しての重要なポイントは母猫からの母乳による移行抗体が減少するタイミングで最終ワクチンを打つ必要がある事と、ブースター効果を狙って最低でも2回連続(3〜4週間程度の間隔を空けて)打つ必要がある事です。また病院によってワクチンプログラムに多少の差があるため、各々の動物病院で確認してください。


ワクチンが済むと次は不妊手術のための来院となります。(交配の予定のある猫さんを除いて)
基本的には来院当日に手術をするわけではなく、まずは麻酔を安全に使用できるかの手術前検査を実施し、その結果問題ないと判断されれば別日に不妊手術を実施するのが一般的な流れとなります。

ワクチン・不妊手術を無事に終えると、ようやく猫ちゃんも飼い主さんも一息つくことができます。
次はいつ動物病院に来たらいいですか?との質問を受けることも多いですが各々の猫さんによって答え方は異なります。

通常であれば次回のワクチン接種のタイミング(初年度の接種日から1年後の追加接種)ですが、幼少期に体調不良等で成長に不安があった猫さんには2〜3ヶ月後に来院してもらい体重のチェックや身体検査を実施することがあります。
また、耳掃除や爪切りなどの日常的なケアが必要な猫さんにも定期的に通院していただくようにしています。
心配な方は手術の終了時に獣医師に確認してみましょう。


本題の「猫は動物病院に行きたくない!?」ですが答えは残念ながら「もちろん行きたくない」です。
飼い主さんとの外出が好きな猫さんや誰にでもフレンドリーな猫さんはごく僅かながらいますが、基本的には少数派です。
猫は本来テリトリー意識が高い動物なので、テリトリー外に出ると多かれ少なかれ恐怖を感じます。その感情がいろいろな態度としてあらわれます。(身体を固くしてじっと動かなくなる、とにかく逃げようとする、攻撃的になってパンチなどをするなど)

子猫の時は恐怖心より好奇心が勝つため、診察台でも楽しそうにしている猫さんが1歳をすぎてから来院した際に怯えていたり怒るようになっている事は日常茶飯事です。オーナーさまがその姿に驚いて二度と動物病院に連れて行きたくないと感じることもあるようです。
私自身、3匹の保護猫と暮らしていますが三者三様に動物病院を毛嫌いします。。。
ですので、なるべく動物病院に連れ出す機会を減らすためにも日常的な愛猫たちへの観察を怠らないようにしています。
観察は獣医師でなくてもオーナーさまにも十分にできるため、猫さんとの暮らしにぜひ取り入れましょう。

具体的な例として
・食欲があるかどうかは、1日にどれくらいのご飯をどのタイミングで食べているかを知っておく 
・元気があるかどうかは、遊び道具にいつものように反応するか・いつもは居ない場所でじっとしていないかなどを観察する
・排便や排尿の変化は病気のサインであることが多いため、普段の便の硬さや頻度、尿の量と頻度を知っておく
・身体に痛みがないかどうかは普段からブラッシングや手で撫でているとその変化に気がつきやすいため、なるべく毎日スキンシップをする

*ただし、過度な心配は猫さんにも伝わってしまいお互いにストレスになるため注意です。

上記のような変化がある場合、ストレスが心配でも動物病院に連れて行ってあげましょう。
また緊急性がないと思われる場合・具体的な観察に関しての質問等があればオンライン相談も受け付けていますのでLINEにてご連絡ください。


写真協力:お気に入りの場所でいつものスタイルで眠るみかんちゃん