夏のニャンコに要注意!!

2023.08.11 Fri.

夏本番の暑さが到来です。
人と同様に猫の熱中症も心配な季節ですね。今回は愛猫さんたちの夏の注意点をコラムにしました。

1、部屋の温度はどれくらい?

適切な温度が決まっているわけではないですが、26-29度くらいが目安と考えています。
ただし、部屋の広さ・風通しの有無・人の出入り・押入れなどの逃げ場があるかによっても異なります。
理想的には部屋の全体の温度は適度に保たれていて、猫の体調や好みによって涼しい場所や暖かい場所に移動できることが大切だと考えています(例:ドーム型の猫ベッドがある、押入れの中に入れる、玄関などに通じる廊下を出入りできる、など)


2、ノミ・マダニやフィラリア予防はしないといけない?

ノミ・フィラリアに関しては、お外に出る猫さんには必須とお伝えしています。理由として、ノミは草むらや猫同士の接触で容易に感染するからです。ノミに寄生された猫さんは、アレルギー性皮膚炎や吸血による貧血を起こすこともあり、また人も噛まれることがあるため注意が必要です。
マダニに関しての草むらに行く猫さんには予防が必要です。
フィラリアは蚊の吸血によって感染する寄生虫ですが、犬と違い診断自体が困難です。そのため実際にどれくらいの猫さんがフィラリアに感染しているかに関し不明な点は多いですが、万が一感染した場合には、心臓や肺の症状により突然死するリスクがあります。


マンションの上の階で暮らしている場合や、部屋から一歩も出ない猫さんに関しては、感染の可能性は低いと考えていますが、動物病院に定期的に通院している・飼い主さんが外で猫を触る機会がある、などの場合は夏場の予防をおすすめしています。
背中に滴下するスポット剤で簡単に予防ができるため、予防の際には獣医師に相談してください

3、とにかく気をつけたほうがいいことは?

【飲水について】
夏場はお水をよく飲む傾向があるため、綺麗なお水をたっぷりと用意してあげましょう。
特に高齢の猫さんは暑さにも脱水に弱いため、元気がない時は要注意です。
水の種類に関しては水道水で問題ありません。

【移動時の暑さについて】
動物病院やサロンへの外出の際は、キャリーケースでの移動が主になりますがキャリー内は熱がこもりやすくなっています。
中に保冷剤を入れる、なるべく通気性のいいキャリーに変えるなどの工夫が必要です。

【食事について】
いつも通りのフードを与えていただいて問題ないですが、wetフードを主体にあげている場合は、置きっ放しにすると夏場はすぐに腐敗してしまうため、食べ残しは捨てるようにしましょう。
また、ドライフードには水分がほとんど含まれていないため、お水を飲まない猫さんであればwetフードを併用するのも水分補給の方法として有用です。


以上が、夏場の診察室で飼い主さまからよく質問されることです。
実際のノ・ミダニ・フィラリア感染症や脱水症についての詳細は獣医師に相談してみてください。



写真協力:気持ち良さげに寝っ転がる小桃太郎くん